見た目に影響を与える食品添加物「着色料」について安全性など徹底解説!

食品添加物

食品添加物は実に様々な用途で使用されています。例えば腐敗を防ぐために用いられる保存料や、食品にとろみをもたらす増粘剤など、本当に多岐にわたります。そこで今回は、食品の見た目を彩る着色料について解説していきます!

記事の信頼性

・国立大学大学院農学部卒

・某食品会社の研究開発職勤務

食品添加物:着色料とは?その役割と種類

食品添加物は、食品の見た目を美しくしたり、その製造過程で失われた色を補ったりするために使用される食品添加物です。私たちが普段口にするお菓子やジュース、加工食品に加えて、漬物などにも多くの着色料が含まれています。

着色料の主な役割

食品添加物である着色料は食品の視覚的な魅力を高めることで食欲を刺激し、商品価値を向上させる役割があります。色が食へ与える影響は皆さんが想像しているよりも大きく、オレンジ色の飴は、味付けをしていなくても、オレンジの味がするように錯覚をしたりします。

食品着色料の種類

着色料は大きく分けて「天然着色料」と「合成着色料」に分類されます。

天然着色料

天然着色料とは、自然界に存在する植物や動物由来の色素を利用した着色料です。例えば、以下のようなものがあります。クチナシの実から青色や黄色、赤色の着色料が作られたり、赤大根からは、アントシアニンを色素成分とする、アカダイコン色素が作られます。天然着色料は、自然由来であるため、発がん性などの危険性はかなり低いです。

合成着色料

合成着色料は石油や石炭から化学的に合成された色素で、単一な物質で構成されることから、発色が鮮やかなことが特徴です。また、その価格の安さも特徴となります。最近アメリカで使用禁止となった「赤色3号」も合成着色料に分類されます。

着色料の安全性は?

食品添加物と聞くと、その安全性に疑問を持つ方も多いかもしれません。実際に過去には安全性が問題視され、マスコミにも取り上げられるような事態になった会社もあります。ただ、そういった積み重ねから規制がかなり強化されています。

着色料の安全性評価は?

食品添加物である着色料の安全性評価は、各国の食品安全機関によって評価され、使用基準が設定されています。食品添加物にはADI(Acceptable Daily Intake、許容一日摂取量)が定められています。ADIとは人が一生涯食べ続けても発がん性など健康に悪影響を与えないと認められた、一日あたりの摂取量のことです。この数値を上回る量を食品に使用することは出来ません。

着色料も例外ではなく、ADIが定められているものがほとんどです。アカダイコン色素など一部ADIが定められていないものもありますが、こちらは自然由来の食品添加物のため、その安全性は担保されています。

赤色3号などの合成着色料は危険?

合成着色料は石油や石炭から化学合成されているため、健康への影響があるのではと考えるかもしれません。しかし合成着色料もADIなどの基準が明確に設定されているため正しい量を摂取すれば健康への影響はないと考えられます。

食品添加物について賢い選択が重要

食品添加物については「発がん性があるのでは」「化学物質だが大丈夫なのか」など人それぞれ考え方は違うと思います。ただ重要なことは正しい知識を持ち、自分で判断することです。

化学物質だから危険、無添加食品だから安全など決めつけるのではなく、それぞれの特性や安全性について正しく理解し、食品を選択することが大切です。

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