塩分不足が引き起こす「低ナトリウム血症」とはご存じですか?
塩分は汗とともに流れていくので、実は運動する子どもたちにもリスクがあります。
運動する子どもたちの健康管理において、熱中症や脱水症状への対策は広く知られていますよね?
しかし、塩分(ナトリウム)の不足が引き起こす「低ナトリウム血症」については、あまり知られていないのが現状です。
本記事では、低ナトリウム血症の原因、症状、予防法について詳しく解説し、運動する子どもを持つ母親の皆様に必要な知識を提供します。
記事の信頼性:筆者の特徴
・国立大学大学院農学部卒
・某食品会社の研究開発職勤務
低ナトリウム血症とは?

低ナトリウム血症とは、血中のナトリウム濃度が正常範囲(135~145 mEq/L)を下回る状態を指します。
ナトリウムは、体内の水分バランスや神経・筋肉の機能を維持するために不可欠な電解質です。
そのため、ナトリウム濃度が低下すると、さまざまな身体的な不調が現れます。
具体的には低ナトリウム血症による体内のナトリウム濃度の異常な低下によって、頭痛、吐き気、筋肉のけいれん、最悪の場合は意識障害を引き起こす可能性があります。
特に、汗を大量にかく運動時に水分だけを補給し、塩分を摂取しない場合にリスクが高まります。
原因:なぜ塩分不足が起こるのか?
体内の塩分不足により発症する「低ナトリウム血症」ですが、そもそもなぜ塩分不足はおこるのでしょうか。
以下に解説していきます!
1. 過剰な水分摂取
運動中や暑い環境下での活動時に、水分だけを大量に摂取すると、体内のナトリウム濃度が希釈され、低ナトリウム血症を引き起こす可能性があります。
2. 発汗によるナトリウムの喪失

汗にはナトリウムが含まれており、激しい運動や高温下での活動により大量の汗をかくと、ナトリウムが失われます。
この状態で水分だけを補給すると、ナトリウム濃度がさらに低下します。
3. 不適切な水分補給
スポーツドリンクや塩分を含む飲料を摂取せず、水やお茶などナトリウムを含まない飲料のみを摂取することで、ナトリウム不足が進行することがあります。
症状:低ナトリウム血症のサイン

塩分不足により引き起こされる「低ナトリウム血症」ですが、具体的にはどのような症状があるのでしょうか。軽度から重度までさまざまな症状をご紹介します。
軽度の症状
- 頭痛
- 吐き気
- 倦怠感
- 筋肉のけいれん
重度の症状
- 意識障害
- けいれん発作
- 昏睡
特に子どもは自分の体調の変化をうまく伝えられないことがあるため、周囲の大人が注意深く観察することが重要です。
予防法:塩分と水分のバランスを保つ

続いて「低ナトリウム血症」の予防法についてご紹介していきます。
1. 適切な水分補給
汗をかく季節には水分補給が大切となってきます。
特に運動前、運動中、運動後にこまめに水分を補給することが大切です。
ただし、水だけでなく、ナトリウムを含む飲料を選ぶようにすればナトリウムを補うことが出来るためよいです。
2. 塩分の摂取
塩分不足解消のために塩分を積極的に摂るようにしましょう。
運動前後に塩分を含む食品やタブレットを摂取することで、ナトリウムの不足を防ぐことができます。
例えば、塩分タブレットや塩味のあるスナックなどが効果的です。
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3. 食事でのナトリウム補給
日常の食事でも、適度な塩分を含む食品を取り入れることが重要です。
ナトリウムを含む伝統的な食品を以下に紹介します。
・味噌汁
・漬物
・塩昆布
このような食品を日々の食事に取り入れてみましょう。
まとめ:塩分不足を防ぎ、健康的な運動を

低ナトリウム血症は、適切な知識と対策により予防可能な症状です。
ただ子どもは体温調節機能が未熟であり、汗をかくことで体内のナトリウムが失われやすい傾向にあります。
そのため、以下の点に注意が必要です。
・体調の変化に敏感になり、異常があればすぐに休ませる
・運動前後に塩分を含む飲料や食品を摂取させる
・水分補給の際には、ナトリウムを含む飲料を選ぶ
運動する子どもたちにとって、塩分と水分のバランスを保つことは、健康的な成長と安全な運動習慣を支える基盤となります。
日常生活の中で、塩分補給の重要性を意識し、子どもたちの健康を守りましょう。
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