「コンビニの食品に使われているクチナシ赤色素って何?」「本当に安全なの?」「どんな製品に使われているの?」と気になる方も多いのではないでしょうか?
近年では、食品添加物でも自然由来のものが求められています。その中でも、クチナシ赤色素は、クチナシの実から作られる色素で、自然な赤色を演出できる食品添加物として注目されています。
本記事では、クチナシ赤色素の原理や安全性、実際に使用されている食品について詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
記事の信頼性:筆者の特徴
・国立大学大学院農学部卒
・某食品会社の研究開発職勤務
食品添加物:クチナシ赤色素はどういう原理で作られるの?
クチナシ赤色素とは?
クチナシ赤色素は、天然由来の色素の一つで、食品にも幅広く使用されています。クチナシという植物の果実から抽出される色素で、イリドイド配糖体という物質が赤色の発色に関与してます。
クチナシ赤色素の原理は?
クチナシ赤色素が出来る原理について説明します。まずクチナシの果実からイリドイド配糖体とタンパク質分解物を分離します。続いて、β- グルコシダーゼという酵素を添加することで、糖を分解します。こうすることで、紫赤色~赤色の色素が得られます。
「赤色3号」などといった合成着色料とは異なり、クチナシ赤色素は天然物由来の着色料です。そのため、自然な発色が特徴となっています。
クチナシ赤色素が使われている食品は?

クチナシ赤色素は、その特徴的な色みから本当に様々な食品に使用されています。以下に代表的なものを紹介します。
①和菓子 和菓子にはまんじゅうの着色などに使われています。
②パン パンにはいちご味のものに使われることが多いです。コンビニでいちご味のパンを見かけたら、成分表示を見てみてください。
③アイス アイスもいちご味のものに使われることが多いです。子どもに人気なアイス「スーパーカップ」のいちご味にも使われています。
④紅しょうが 意外なものとしては、紅しょうがにも使われています。コンビニで売っている紅しょうがそばの赤色にも使用されています。
このようにクチナシ赤色素は、本当に幅広い食品に使われています。クチナシ赤色素によって赤色を示している食品が多いことに驚きですね!
クチナシ赤色素の危険性や安全性は?
そんな幅広い食品に使用されているクチナシ赤色素ですが、危険性に不安を感じる人もいるのではないでしょうか。基本的にクチナシ赤色素は天然物から作られるため、比較的安全性が高いとされていますが、安全性について詳しく解説していきます。
食品添加物としての安全性
クチナシ赤色素は食品添加物に指定されており、厚生労働省やFDAによって使用基準が定められています。クチナシ赤色素のADI値は1日当たり0~2.5 mg/kgとされており、この量を摂取し続けても人体には問題ないとされています。この数値ではイメージが付きにくいと思いますので、例を挙げてみます。
和菓子1個あたりに、クチナシ赤色素は平均5mg含まれています。50㎏の成人がADI値に達するまで和菓子を食べるなら、1日当たり25個の和菓子を食べ続ける必要があります。
ADIについては以下の記事で詳細に説明していますので、ご覧になってみてください!
クチナシ赤色素における毒性試験
クチナシ赤色素についてラットを用いた毒性試験が日本食品化学学会誌に掲載されています。結果としては、ラットにクチナシ赤色素を反復投与しても毒性が低く、発がん性も認められないことが報告されています。
このようにクチナシ赤色素は自然由来ということもあるため、その安全性は高いと考えられます。
食品添加物の安全性は個々人で判断する時代に

今回はクチナシ赤色素について原理や安全性を紹介しました。クチナシ赤色素は自然由来の食品添加物のため、比較的安全性が高いとされていますが、過剰な摂取は禁物です。
また、2025年1月にはアメリカが「赤色3号」という着色料を使用禁止とすると発表がありましたが、日本の厚生労働省は安全性に問題はないと発表しました。食品添加物はADI値で明確な基準が定められているほか、リスク評価もきちんとなされています。闇雲に食品添加物が危険と考えるのではなく、自身で良く調べることにより程よい距離感で食品添加物と付き合うことが今の時代には重要であると私は考えています。
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