「食品添加物」と聞くと、人工的な化学物質をイメージする人も多いかもしれません。しかし、実際には天然由来の添加物も数多く存在します。その中の一つにアカダイコン色素があります。今回は、アカダイコン色素について特徴などを解説していきます!
天然着色料:アカダイコン色素とは?
アカダイコン色素とは赤大根からつくられる天然の着色料で、おもに漬物や加工食品などに使われます。独特なダイコン臭が特徴の一つでしたが、近年ではダイコン臭の低減に成功しており、飲料などにも使われるようになってきています。

アカダイコン色素の主成分:アントシアニンとは
アカダイコン色素は栽培された赤大根からアントシアニンという色素成分を抽出したものです。アントシアニンとは植物が紫外線などから身を守るために生成される物質で、紅葉の時期にもみじが赤くなるのも、このアントシアニンが生成されるからです。
条件によって色が変わる!?
アカダイコン色素は条件によって色が変わることも特徴の一つです。酸性下では、きれいな赤色を発色していますが、中性域に近づくにつれて青みが強くなっていきます。これもアントシアニンの特徴の1つとなっています。
ただ、アントシアニンは酸性条件での安定性が高いため、主にアカダイコン色素は酸性の食品(飲料、漬物など)で使用されています。
学生の頃に理科の実験で使うリトマス試験紙も、アントシアニンが使われています。pHによって色が変わることに不思議に思った人も多いかもしれません。この現象もアントシアニンの特徴をうまく活用しています。
アカダイコン色素の安全性は!?
天然由来の着色料である、「アカダイコン色素」ですが、その安全性について気になる人も多いのではないでしょうか。
天然着色料と合成着色料の違い
アカダイコン色素は天然着色料に分類されますが、合成着色料とはどのような点が異なるのでしょうか。
まずは由来原料に違いがあります。天然着色料はその名の通りダイコンなどの天然物から作られます。一方「赤色3号」などの合成着色料は石油や石炭といったものから合成されます。
続いて色みや安定性に違いがあります。天然着色料は天然物から抽出しているため、色素成分のみを取り出すことは出来ません。そのため単一な色素成分から構成される合成着色料には鮮やかさや安定性を比べるとどうしても劣ってしまいます。
安全性はどうなのでしょうか。2025年1月に「赤色3号」がアメリカで使用禁止になったこともあり、合成着色料は危険では?と考える人もいると思います。ただ、食品添加物はADI値で管理されているものも多いため、一概に合成着色料だから危険とは言えません。重要なのはその食品添加物をどの程度摂取しているか、になります。
アカダイコン色素のADI値は?
食品添加物の使用基準を示すADI(許容一日摂取量)ですが、アカダイコン色素は特定のADI値は定められていないのです。「あれ?ADIが定められていないのに使って大丈夫なの!?」と感じた方もいるかもしれません。
ただ、ADIはどの食品添加物にも定められている訳ではなく、アカダイコン色素のように昔から使われている天然由来の食品添加物の中では定められていないものもあります。アカダイコン色素は様々な植物に幅広く存在するアントシアニンを主成分としていることから、安全性はかなり高いといえます。
食品添加物について知識を深めよう!
食品において、様々な用途で使われる食品添加物は今では欠かせない存在になっています。食品添加物の安全性についてむやみに「危険」と断定し避けるのではなく、消費者自身が情報を正しく理解し、適切に選択することが大切です。
天然だから安全、合成だから危険かというとそんなことはありません。良く口にする塩だって摂りすぎると健康に悪影響を及ぼすことを知っている人は多いと思います。重要なことは自身で調べて判断することだと考えています。

自分に合った食品を選ぼう
今回はアカダイコン色素について紹介してきました。アカダイコン色素は天然由来で様々な食品に使われています。しかし、すべての食品添加物に言えることですが、過剰に恐れるのではなく、正しい知識を身に着けた上で食品を選ぶことが大切です。
このブログでは食品添加物について様々な情報を提供していますので、よければ他の記事も読んでみてください!
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