昨今、安全性について騒がれることが多いのが、食品添加物です。
最近では2025年1月15日に「赤色3号」がアメリカで使用禁止になったことが話題になりました。
ただ、食品添加物には安全性を示す指標として「ADI」があることをご存じでしょうか。今回は「ADIって何?」「どのように指標なの?」といった疑問を解説していきます。

ADIとは?
食品添加物の安全性を考慮するうえで必ず出てくる単語である「ADI」。しかしその意味について詳しくは分からないという方が多いのではないでしょうか。
ADI(Acceptable Daily Intake、許容一日摂取量)は、人が一生涯食べ続けても健康に悪影響を与えないと認められた一日あたりの摂取量のことです。
通常は動物実験によって定められた「無毒性量」の1/100以下と定められています。
具体例:ソルビン酸
具体的な例を挙げてみましょう。しばしば安全性について話題が上がる食品添加物「ソルビン酸」を取り上げてみます。
ソルビン酸はハムやソーセージなどに防腐剤として使用される食品添加物で、そのADIはハム1kgあたり2.0g以下と定められています。
数値だけ聞いてもピンとこないですよね。実際の消費量で表してみましょう。
体重50㎏の人がいたとします。この人が使用基準上限までソルビン酸を添加しているハムを食べたとすると、ADIに達するには毎日625g食さなければなりません。
ADIは通常無毒性量の1/100のため、1日62.5kgのハムを食べたとしても安全性には問題がありません。
日本人のハム消費量が1日平均11.6gであることから如何に膨大な数字かわかると思います。
ADIを超えると安全性に影響がある?
食品添加物の使用は、ADIの基準をもとに安全性が確認されいています。
2025年1月に「赤色3号」がアメリカで使用禁止になったと話題になりましたが、もちろん赤色3号にもADIはあります。
そんなADIですが、その値を超えるとどうなってしまうのでしょうか。
一時的に超えた時/長期に渡って超えた時の安全性に与える影響
ADIは「一生涯にわたり安全な量」を示しているため、一時的にADIを超えた量を摂取したからといってすぐに健康被害が出るわけではありません。
ただ長期的なリスクは別です。ADI値を超えた食品添加物の摂取を長期間続けていると健康に影響を及ぼす可能性は高いです。
食品添加物の種類にはよりますが、発がん性を持つものや肝機能障害を引き起こすものもあります。
食品添加物について知識を深めることが大切
長期的な過剰摂取は安全性に影響があるとのことですが、それは食品添加物に限ったことではありません。
皆さんが良く口にする塩だって摂りすぎると生活習慣病を引き起こすことはご存じだと思います。
また、安全性に全く問題がないように思える水ですらも6リットルを飲むと死ぬことすらあるのです。
それは食品添加物も同じで過剰摂取は安全性に影響を与えるのです。
怖がるだけではなく知ることを始めよう
ただ、食品添加物というだけで「安全性に影響があるのでは?」「摂取するのを控えておこう。」と考えるのは少し早いと思います。
食品添加物は防腐作用を持つもの、食品を視覚から彩るものなど多岐に渡って食品を支えています。
今回解説したADIなどもそうですが怖がるのではなく、知ることが大切だと考えています。食品添加物と、丁度いい距離感で接することができれば、自身の健康に更に気を使えるのではないでしょうか。

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